ここ2~3年でランニングの常識が変わってきています。
NIKE社が「厚底カーボン入りシューズ」を発売してからは、
「長い距離を走るなら厚底シューズ」
となったのが一番大きな変化でしょうか。
それまでは「薄く、そして軽く」が常識だったのですから。
そして「カラダの鍛え方」に対する考え方も変えてきています。
それは厚底シューズを履いた時にカラダにかかる負荷のかかり方が薄底シューズのそれと違ってきているからです。
今回は「厚底シューズ時代の筋トレ」について考えてみます。
厚底シューズと薄底シューズ、疲れ方が違う!?
ロードシーズンとなり、僕もレースでは厚底シューズを使用するため練習での厚底シューズの使用回数が増えました。
「厚底シューズの感覚に慣れる」
「スピード感覚を磨く」
この二つが主な目的です。
厚底シューズはスピードが出やすいので、僕はオーバーペースになってしまう傾向があります。
「これくらいの力でこれくらいのスピードが出る」
というのを把握しておくことは僕にとっては重要です。
そうして厚底シューズでのトレーニングが増える中、薄底シューズを中心に履いていた時とは違った疲れを感じるようになりました。
とにかく「大きな筋肉の疲れ方」が違います。
「太もも裏(ハムストリング)」
「おしり」
「背中」
この部位は以前とは比べ物にならないくらい疲れや筋肉の張りを感じるようになっています。
薄底シューズを履いている時も、確かにこの部位に筋肉の張りはありました。
しかし、厚底シューズを履いてトレーニングをした後のような「パンパンに筋肉が張る」というところまではいっていません。
そのため、今まで使っていた筋肉にさらに大きな負荷がかかっても大丈夫なようにしなければなりません。
そうなると筋トレも「自重トレーニング」だけでは負荷が足らなくなってきます。
以前、「ウエイトトレーニングはしなくてもいい」という記事を書いています。
しかし、高反発性能を持った厚底シューズを履きこなして記録を出したいランナーは「太もも裏(ハムストリング)」「おしり」「背中」を今まで以上に鍛えておく必要があります。
そうなると走るトレーニングに加え、故障を予防するためにもカラダに高負荷をかける「ウエイトトレーニング」が必要になってくるのです。
厚底シューズ時代の高負荷筋トレ
これから紹介するウエイトトレーニングに関しては、ジムに通っている方であればフリーウエイトやマシンを使ってやっていただければ問題ないでしょう。
しかし、ジムに通っていない方に関してはバーベルなどを持っていない方が多いと思います。
そんな方は上の写真のような「鉄アレイ」や「水を入れたペットボトル」を用意しましょう。
それで筋トレの際に「自重トレーニングより重い負荷がかかる状態」を作ってください。
それでは紹介していきます。
レッグカール
以前の記事で「ハムストリングを鍛えよう」という内容の記事を紹介しています。
NIKE社が「厚底のカーボン入シューズ」を発売して以来、シューズの概念が概念が変わりました。 「厚底カーボンシューズ」が登場するまでは、「薄くて軽い」が主流。 「陸王」という足袋を作る会社がランニングシューズ市場に乗り込むと[…]
うつ伏せで寝転がり、膝を曲げ伸ばしするトレーニングです。
自重でも回数をこなせばかなり効いてきますが、負荷をかけて行った方が効果がでます。
自宅ではチューブやバンドを輪にして柱などに巻き、カカトがおしりに近づく時と戻す時に同じくらいの負荷がかかるようにして行うといいでしょう。
スクワット
自宅で行う場合は手に鉄アレイや水の入ったペットボトルを持ち、肩周辺に手を置いて行うといいでしょう。
スクワットをする際は同じリズムでお尻の上げ下げをするだけではなく、ゆっくり下げて素早く上げるといいたようにリズムを変えたりしましょう。
また短距離の選手が取り入れていることが多い「ジャンピングスクワット」も効果的です。
「ジャンピングスクワット」はカラダを上げる時にジャンプをします。
着地の時、膝や腰に負担がかかるのでウエイトは重すぎないようにするのが重要です。
デットリフト
背中をメインにおしりとハムストリングを鍛える筋トレです。
足を肩幅くらいに開き、股関節と膝を軽く曲げた状態して両手でバーベルを持ちます。
そしてカラダの前面に沿ってバーベルを下ろしていき、膝下まできたらカラダを起こしていきます。
背中が丸まっていると腰を痛める可能性が高いです。
デッドリフトをしている最中は背中が丸まらないようにしましょう。
バーベルの代わりに鉄アレイや水の入ったペットボトルでもいいのですが、手に持てる重量物なら大丈夫だと思います。
事典や古新聞が入った袋などでもいいでしょう。
最後に
今回紹介した筋トレは多くの回数をこなす必要はありません。
基本10回程度でいいと思います。
また最大負荷にする必要もありません。
10回を比較的楽にこなせる重さでいいでしょう。
厚底シューズを使うことでカラダにかかる負荷が大きいということは、筋力がなければ故障につながるということです。
故障を防ぐためにも厚底シューズを使う方は筋トレも十分にやっておきたいですね。