日本の夏は年々暑くなっているように感じます。
私は今48歳ですが、学生時代に部活をやっていた頃はこんなに猛暑日が続くことはなかったと記憶しています。
そのため、10年以上も前の「夏のトレーニング方法」は通用しないでしょう。
さらに年齢を重ねた市民ランナーはトレーニングの疲労に加え暑さで体力が削られ、思うように走れていないのではないでしょうか。
そこで少しでも「走るトレーニング」ができるように考えられたのが「分割走」
秋・冬に多く行われるフルマラソンへの準備として避けて通れない「夏の走りこみ」を無理なく効率的に行える「分割走」をご紹介します。
分割走とは?
距離走で20km走る予定があったら「5km x 4」「4km x 5」「2km x 10」など分割して走り、走る距離を走る練習方法です。
フルマラソンを走るのであれば、ある程度長い距離を走る練習は必要です。
「自分のカラダが20kmや30km走ったらどんな状態になるのか」ということを知っておく必要があるからです。
しかし、朝でも30℃に近い気温になる7~8月は屋外で長時間走り続けるのは、普段からトレーニングしているランナーであってもリスクが高すぎます。
熱中症などになりやすい状況にもなりかねません。
また暑さで体力が削られ、走ってもペースがどんどん下がる「ビルドダウン」になってしまう可能性もあります。
ビルドダウンではトレーニング効果も「?」となってしまいます。
市民ランナーがフルマラソンで結果を残すには「一定のペースを維持する」ことが一番大事。
距離が短かければ暑い中でも決めたペースを守って走ることができるはずです。
では実際にどうやって実施すればいいのでしょうか。
分割走のやり方
まず「距離走をやるなら目的はどっち?」ということを考えます。
- 設定したペースを最後まで守って走り切る
- とにかく距離を稼ぐ
涼しい季節であれば、「両方」という回答になる方が多いと思いますが、夏はそうはいきません。
特に「レースペースで走る」ということだったら、よほど体力があるランナーでないと設定ペースで長時間の距離走を走るのは厳しいでしょう。
そのため、「ペース」をとるか「距離」をとるか決めましょう。
設定ペースで走ることを優先した場合
まず設定したペースで何kmまでなら確実に走れるか考えます。
その確実に走れる距離をもとに合計何km走るかを決めていきます。
例をあげます。
サブ4ペースで走ろうと思った場合、レースペースは1kmあたり5分30~40秒です。
そしてこのペースで確実に走れる距離を考えます。
ここでは5kmとします。
そして4本くらいなら走れそうと考えたら、「5km x 4」で合計20km走るということになります。
セットとセットの間の休憩は十分水分補給した上で、あまり心拍数が下がり切らないうちにスタートするといいでしょう。
私は5kmで分割走をする時は3~4分の休憩で走り出すことが多いです。
また、「決めたペースで走る」ことを優先しているので、決めたペースで走れないと判断したら目標の合計距離まで走る必要はないと思います。
体力回復に努めましょう。
距離を積むことを優先した場合
最終的に走る合計距離を通しで走った場合、どのくらいのペースなら確実に走りきれるか考えます。
こちらも例をあげてみます。
最終的に20kmは走りたいと考えた時、暑さと走るコースを考えたら1km6分なら通しで走れそうだと考えたとします。
そして日陰が多いコースだから10kmごとにするとか、日陰があまりないから5kmにする、といったように決めていきます。
私の場合は4km周回コースでやることが多いです。
水道とトイレと日陰がある場所があるのでそこを拠点に走ります。
こちらは走りきれるスピードで走っているので、目標の合計距離を走りきれると思いますが、体調不良を感じたり、体力的にキツくなってきたら勇気を持ってトレーニングを終了することが重要です。
最後に
この分割走、実はスタート地点が重要になってきます。
分割して走るのでセットとセットの間に休憩が入ります。
そのため一旦落ち着けるところを準備しておく必要があるのです。
僕の場合はこんな場所を拠点とすることが多いです。
・ショッピングセンター
・公園の飲料水があるところ
・コンビニ
など
地元で走るのであれば「あのコンビニまで何kmくらい」というのは判断しやすいと思います。
なので2~3店舗候補にあげておいて、距離を合わせながら走るのもいいでしょう。
飲料水も買えるのでセット間の休憩場所としては最適です。
ただ、汗がビッショリの状態で入ると迷惑がかかるのである程度汗がひいてから店内に入るようにしましょう。
暑い季節に走るのは大変です。
工夫をして練習量を確保し、フルマラソンシーズンで結果が出せるようがんばりましょう。