東京2020が始まり、7月初めにはランニングシューズ関連各社のニューモデルが出揃いました。
専門店にシューズを見に行くと東京2020で選手が使うであろうモデルがところ狭しと並んでいます。
もちろん厚底シューズも例外ではありません。
個人的にもフルマラソン用にレースシューズを新しくしようと思い、7月下旬ごろに厚底シューズを購入する気満々でショップに行きました。
しかし、なんと僕のサイズである28.0cmはすでに売り切れという状態。
各ショップの店員の方に聞いたところ、学生を中心とした競技者層が発売開始とともに購入していき、在庫がない状態とのこと。
またロード・駅伝シーズン開始時期を考えると今頃からレースで使用するショーズを徐々に履き慣らし、レースに向けて準備するのだそうです。
それだけ厚底シューズの需要が高まっているということ。
市民ランナーでも使う方が多くなると思います。
そこで今回は「厚底シューズの使い方」に関して独自視点も入れながら書きたいと思います。
「厚底シューズの使い方」は「厚底世代のエリート」に学ぶ。
シューズメーカーのナイキが初めて厚底シューズを世の中に出したのが2017年。
そして2017年5月に最初の「BREAKING 2」というイベントが行われ、その時のタイムが世界中に衝撃をもたらしました。
この頃から「長距離ロードは厚底シューズで」という考え方が広まっていったのですが、今長距離の第一線で活躍している20代の選手は、カラダが出来上がってくる時20歳前後から厚底シューズをレースだけでなく練習でも活用しています。
つまり「厚底シューズを使いこなし、シューズの性能を充分引き出している」世代なのです。
そしてこの選手達は、スパイクも厚底シューズ化してきていることで、トラックでも結果を出し始めています。
そのため「ロードのレースで結果を出したい」ランナーはエリート選手の厚底シューズの使い方を参考にして自分流にアレンジしていくのがいいと考えます。
厚底シューズの使い方
まず「ロードでのレース用のカーボン入り厚底シューズ」と「ジョグ用のシューズ」、「トラックなどでやるスピード練習用の薄底シューズ」の3足持っていることを前提とします。
エリート選手の練習風景を見ているとシューズの履き分けをしています。
アップの時はカーボンなどは入っていないクション性の高いシューズ、トラックやクロカンを走る時は自分の力で走る薄底のシューズ、そしてロードでペース走などをする時にはレース用の厚底シューズを使います。
トラックで練習する時は薄底シューズではなくスパイクを使う選手もいます。
特に夏場はトラックシーズンということもあり、スパイクを使っている選手を多く見かけます。
さて、「あれ?」と思った方もいると思います。
ここでは「厚底シューズの使い方」に関して書いているのに、なぜ「薄底シューズを使う」ことを書いているのでしょうか。
「足裏を鍛えるため」「接地感を養うため」といったような、すでに多く語られている理由もあります。
その他の理由として「路面が柔らかいからシューズはクッションが少ないものを使ったほうがいい」ということがあげられます。
レース用の厚底シューズはミッドソールに高反発素材が使われており、アスファルトといった硬い路面だとよく跳ねます。
そして高反発素材は柔らかいものが多いのです。
トラックは判断が分かれるところですが、クロカンや不整地でトレーニングをする時に厚底を使うと接地がブレたりして、人によっては故障する可能性もあります。
また、路面が柔らかいため柔らかいミッドソールの厚底を履いていてもシューズの恩恵は受けられません。
人によってはストレスとなるでしょう。
走る路面や走るスピードなどを考慮してシューズを履き分ける必要があるのです。
カーボン入りの厚底シューズは「レース」「ペース走」というスピードを出して走る時に限定されるべきでしょう。
最後に
僕がよく使う陸上競技場では実業団、大学、高校と色々な選手が練習しています。
練習風景を見ているとシューズを履き替える場面をよく見ます。
ある実業団の選手はトラックでクッションのあるシューズでアップの後、薄底シューズを履き替えて、クロカンで走り込み。
そしてトラックに戻ってきてスパイクでインターバルをし、終わった後に履き替えてダウンジョグ、という感じでシューズを使い分けていました。
トラックではなくロードでスピード練習をする時はスパイクを履くところで「レース用の厚底シューズ」を履くことになるだろうと予想しています。
大学生も同じような感じでした。
ただ高校生はちょっと違っていて、家から履いてきたシューズでアップをして、クロカンを走る時はそのままそのシューズで走り、トラックの時は薄底シューズかスパイク、トラックもしくはロードでの走り込みの時はレース用の厚底シューズという感じの選手が多かったです。
でも共通しているのは「硬い路面でスピードを出す練習をする時にレース用の厚底シューズを使う」という点です。
これは我々も参考にしたいところです。