ランナーにとって理想を言えば、走っても走ってもカラダのどこにも痛みが出ないことです。
しかし、そのようなことはマレでしょう。
日々走る多くのランナーは筋肉痛などの気にするほどのものではない痛みを感じていると思います。
でも痛みが長引くことはなく、短期間で自然と治っていることでしょう。
その一方で、オーバートレーニングなどにより重度の痛みを抱えるランナーもいることは事実です。
痛みが出たことにより長期にわたって休養せざるを得ない状況になることもあると思います。
今回はランニングで起きやすいケガについて書きます。
知識として覚えておき、予防していきましょう。
ランニングで起きるケガ
ランニングで起きるケガの多くは以下のようなものです。
- ヒザ痛(ランナーズニー)
- 腸脛靭帯炎
- 足底筋膜炎
- アキレス腱炎
- ハムストリングの故障
それぞれについてみていきたいと思います。
ヒザ痛
膝蓋大腿痛症候群」と呼ばれ、ヒザ痛(ランナーズニー)と呼ばれている症状です。
これは一般的に「ヒザのお皿」と言われている丸い軟骨下側の炎症です。
「ヒザのお皿」は膝蓋骨(しがいこつ)といいますが、ランニングによるケガのやく40%はヒザのケガと言われています。
(参照元:runnersworld.com)
このヒザ痛は長時間のランニング中もしくはランニング後に出てきます。
ヒザ痛は体重であったりフォームが悪かったり、カラダのバランスが悪いなどといったヒザに余計な負荷をかけてしまうことが原因です。
また、筋力不足からも引き起こされてしまうとも言われています
腸脛靭帯炎
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)とは太ももの外側に沿って腰からヒザまで伸びている筋肉のことです。
この腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が走ることで硬くなり、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)やヒザ関節と擦り合うことで痛みが生じてきます。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は足の長さが左右で違っていたり、股関節が硬い方、また股関節周りの筋肉がうまく機能していないと発症する可能性が高いです。
足底筋膜炎
足底筋膜(そくていきんまく)とはカカトからつま先まで伸びる筋肉になります。
ランニング中は足に体重の何倍もの衝撃が加わります。
もちろん足の裏も例外ではなく、その衝撃が蓄積されることにより炎症が引き起こされます。
足底筋膜は土踏まずと呼ばれる足裏のアーチが人より高かったり、逆に扁平足(へんぺいそく)のように低かったりすると足底筋膜がカカトの骨から常に引き伸ばされている状態になり弱くなりやすいのです。
そのため足底筋膜炎になりやすいと言われています。
さらに、足首のプロネーションが大きかったり走行距離を急激に伸ばしたりしても足底筋膜炎になりやいです。
アキレス腱炎
アキレス腱はふくらはぎの筋肉からカカトまでに伸びている腱のことです。
ランニングの際、過度に負荷がかかると炎症がおきます。
インターバルトレーンングなどのスピード練習や坂道ダッシュなどのアップダウンがあるところを走る練習を急激に増やすと炎症がおきます。
またふくらはぎの筋力が弱いもしくはオーバーワークで硬くなってしまっても炎症が起きやすくなります。
ハムストリングの故障
ハムストリングとは太もも裏の筋肉群の総称です。
走る動作の時、このハムストリングが伸縮することで、ヒザを曲げたり足を伸ばしたりできるわけです。
このハムストリングを故障する原因は筋力不足ということもありますが、柔軟性がないこともあげられます。
前屈でつま先に触れない方や長時間イスに座って常にヒザを曲げハムストリングが伸びた状態が続いていると故障しやすくなります。
さらに太ももの前の筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」との筋力のバランスが悪いと故障する率が高くなります。
大腿四頭筋の筋力の方が強すぎるランナーはハムストリングのケガが多くなる傾向があります。
故障しないためにどうするか
ほとんどのケガの原因は「オーバーワーク」が主な原因です。
そのため「トレーニングが終わってもまだ動ける」という腹八分目の状態で日々走り終えることが重要になってきます。
サブスリーを目指す方など、目一杯追い込む練習をするランナーに関しては練習計画の中に必ず完全休養日を設けてリカバリーをする日も必要でしょう。
オーバーワークに気をつけながら次にすべきことは「筋力アップ」です。
筋力が弱かったり左右の筋力の違いでもケガはおきます。
ダンベルなどで余分な負荷をかけなくてもいいので、スクワットやカカト上げなどの筋力トレーニングを取り入れていくといいでしょう。
もしケガをしてしまったら、これは痛みが引くまで休養するのがベストです。
痛みがおさまり次第、徐々にトレーニングを再開してください。
トレーニングを再開する時、いきなりケガをする前のメニューをすると間違いなく再発します。
急激にトレーニング量を増やすのはやめましょう。
最後に
ケガをした場合、整形外科や整骨院で治療すると思います。
ここで注意してもらいたいのが、痛み止めの湿布や薬です。
近年の湿布や薬は鎮痛成分の働きにより痛みが和らぐのが早く感じます。
そのため、痛みが和らいだだけなのに完治したと錯覚する可能性があります。
薬で痛みを和らげても筋肉の状態は元には戻っていません。
トレーニングを本格的に再開してもいいのはこのような薬を使わなくなっても痛みを感じなくなってからです。
そして薬を使わない状態でトレーニング量を増やしていっても痛みが出なければ治ったと思っていいでしょう。
運動する方は運動量が多くなればケガをする確率は高くなります。
ケガとうまく付き合っていくことも重要ですが、ケガをしないに越したことはありません。
オーバーワークに注意し、日頃からカラダのケアをして長くスポーツを楽しめるようにしていきましょう。
2020年12月20日のレース中にやってしまった左ハムストリングの肉離れ。 復活するまでのリハビリ日誌です。…
今回の記事の参照元
https://www.runnersworld.com/health-injuries/a20780912/the-seven-most-common-running-injuries/
https://otreechiro.com/runner-injury/