マラソンなどのテレビ中継をみていると思うことがあります。
それは「走り方」です。
薄底シューズが全盛の時は足を早く動かす「ピッチ走法」が多かったと思います。
男子は瀬古選手や谷口選手、女子は高橋尚子選手が印象に残っています。
しかし、厚底カーボンプレート入りシューズが登場してからは歩幅が大きい「ストライド走法」で走る選手が多くなったと感じています。
大迫選手を見るたびにそう思います。
この「ピッチ走法」と「ストライド走法」。
ランナーの間ではどちらの走り方で走るかという議論がありました。
今回はこの2つの走り方に関して考えてみたいと思います。
ピッチ方法とは
ピッチ走法は「狭い歩幅で足の回転数を上げる」走り方です。
ピッチ方法で走る選手をみていると、歩幅は狭いのですが、早いリズムで足を動かすことによりスピードを出して走っているのがわかります。
このピッチ走法のメリットとしては、
「カラダの上下運動が少なくなる」
「走るリズムが崩れにくい」
「カラダの上下運動が少なくなるので着地時の衝撃が小さくなる」
などがあげられます。
ただ、デメリットもあります。
「歩幅が小さいため早いリズムで動き続けないと失速する」
「足と腕をたくさん動かすので体力を消耗しやすい」
「リズムが崩れると調子を取り戻しにくい」
カラダの小さい選手が取り入れているケースが多い走り方です。
ストライド走法とは
ストライド走法とは「歩幅を大きく取る」走り方です。
ストライドとはまさに「大股に歩く、またぐ」という意味の言葉です。
可能な限り大きなストライドでダイナミックなフォームで走ります。
厚底カーボンプレート入りシューズの反発力のおかげで劇的にストライドが大きくできるランナーが増えました。
今後、主流となる走り方になる可能性が高いです。
ストライド走法のメリットを見てみましょう。
「歩幅が大きくなるのでピッチ走法に比べ歩数が少なくなる」
「ゆったり大きなフォームで走ることができる」
「脱力しやすい」
「厚底カーボン入りシューズの反発力の恩恵を受けやすい」
ストライド走法にもデメリットはあります。
これも確認しておきたいと思います。
「カラダの上下運動が大きくなるため軸がブレやすい」
「着地時、足にかかる衝撃が大きい」
「カラダへの負担が大きくなるため突然失速する可能性がある」
「筋力がないと故障しやすい」
このようなところでしょうか。
厚底カーボンプレート入りシューズを履き始めて故障する方は、カラダにかかる衝撃に耐えられるカラダができていないといえるでしょう。
「ピッチ走法」vs「ストライド走法」
では「ピッチ走法」と「ストライド走法」、どのように選べばいいのでしょうか。
走るスピードは「歩幅 × ピッチ」で決まります。
そのため、結論を言ってしまえば「自分にあう歩幅」で「自分に合うピッチ」で走るということになってしまいます。
ランナーによって体格や筋力の差はあります。
日々のトレーニングで自分にあう「歩幅」「ピッチ」を見つけていくしかありません。
その上で、早いリズムに頼るのであれば「ピッチ走法」ですし、歩幅に頼る方が大きい走り方なら「ストライド走法」となります。
ピッチ走法を意識してリズムを早くすれば、ストライドはその分小さくなります。
しかし、ストライド走法を意識して歩幅を大きく取ればピッチは遅くなってしまいます。
ピッチが変わらなければ、歩幅が大きくすれば、タイムも上がります。
タイムが伸び悩んでいる場合、少しづつストライドを少し大きく取って見るといいかもしれません。
ただ、ストライド走法の説明のところでお伝えしましたが、「ストライド走法は筋力が無いと故障しやすい」ということがあげられます。
体幹などに基本的な筋力が無いとストライド走法ではカラダの上下運動を抑えることができず、カラダへの負担が大きくなります。
歩幅を大きくするときは筋力アップも忘れずに行いましょう。
最後に
シューズの技術革新により、カーポンプレートやミッドソール素材の反発力で、ランナーはストライドを伸ばすことが以前に比べて楽になりました。
しかし、筋力をアップせずにストライド(歩幅)を大きくすることは、故障につながります。
反発素材が入っていないシューズで本来の走り方を確認するとか、日々のトレーニングに筋力アップを入れるなどして、自分自身の理想の走り方を見つけていきたいものです。
参考文献:up-run、runnersnext、ランネット、evolu