この記事は、所属しているニッポンランナーズでクロスカントリーコースを使った走り込みがきっかけで書くことにしました。
アスファルトの上を走る場合、地面が硬いのでシューズに使われている反発素材のおかげで地面から反発をもらうことができ、楽に同じリズムを刻めたり体力を温存できたりします。
しかしクロスカントリーコースは地面が柔らかく、足に優しい分地面からの反発はもらえず、自分の力だけで進むことになります。
シューズの恩恵はほとんど期待できません。
そのためフルマラソンを走るための「足づくり」には最適な場所です。
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クロスカントリー(不整地)走をするメリット
クロスカントリー走をする場所は「不整地」です。
不整地とは「アスファルトやコンクリートなどで舗装されていない路面があるところ」です。
例をあげれば、公園などの芝生が敷き詰められている場所や土の小道、砂浜などもこの部類に入ります。
もちろんウッドチップが敷き詰めて整備されているクロスカントリーコースも「不整地」に入ります。
ではクロスカントリー走をするメリットは何があるのでしょうか。
具体的には以下の3つです。
- 足への衝撃が少ない
- 筋力強化ができる
- フォームを改善し「筋肉に頼らない」走りを身につけられる
それぞれについてみてみます。
足への衝撃が少ない
「地面が硬い=足への衝撃は大きい」「地面が柔らかい=足への衝撃は小さい」というのは事実です。
そのためクロスカントリーコースを走ると舗装路に比べ着地の衝撃が小さくなり、カラダへのダメージが少なくなります。
また地面が柔らかいことからアスファルト等硬い路面に比べスピードも出しにくくなります。
故障のリスクを減らすこともできるでしょう。
筋力強化ができる
柔らかい路面を走る時、硬い路面に比べカラダのバランスは取りにくくなります。
そのためカラダを安定させる必要が出てくるため、クロスカントリーなどの不整地を走れば自然とカラダの細かい筋肉まで刺激が入り鍛えることができます。
また路面が柔らかく反発も得られないため、前に進むには自分の筋力で進むしかありません。
長距離を走るには体幹の筋肉をはじめ、全身を使って走る必要があります。
その長距離を走るための全身の筋肉を自然と鍛えることができるのです。
フォームを改善し「筋肉に頼らない」走りを身につけられる
クロスカントリーコースなどの不整地を走ると自分の筋力だけで進む必要があるので、疲労が溜まりやすいです。
先に書いたニッポンランナーズの「クロカンロング走」は約27km走っていますが、体感的には30km以上走ったように感じています。
それぐらい疲労感を感じやすいです。
疲労が溜まりやすい状態で走るので、クロスカントリーコースをはじめとする不整地を走ることを続けているとカラダが楽に長く走れるように順応してきます。
そして全身を使って走る効率のいいフォームが身についてくるのです。
これはクロスカントリーコースを走った後、アスファルトなどの舗装路や陸上競技場を走るとその効果がよくわかると思います。
クロスカントリー(不整地)を走る時の注意点
一番気をつけて欲しいのは「慣れるまではスピードを出さない」ということです。
路面は柔らかいので故障のリスクを下げることはできますが、これは走るのに慣れてきた時の話。
クロスカントリー(不整地)を走るのに慣れてないうちからスピードを出してしまうと着地の際に足首を捻ってしまうことがあります。
また、木の根が出ていたり、枝が落ちていたりしてつまづいてしまう可能性もあるわけです。
また、上の写真のように走るコースがアップダウンの多い可能性があり、慣れないうちにスピードを出してしまうと心肺機能に負荷がかかりすぎて序盤に失速してしまいトレーニング効果が少なくなってしまう可能性もあります。
ビルドアップしていく感覚で走るといいと思います。
さらに、クロスカントリーなどの不整地を走る時は「薄底シューズ」を使用することをオススメします。
路面が柔らかく加えてクッションの効いた厚底シューズだと走る時のバランスが取りにくく走りにくいと思います。
薄底シューズであればシューズのクッションが少ない分着地の時にブレが少なくなるので安定します。
加えて、カーボンプレートなど走りをサポートする機能がないものが多いので、より「筋力強化」ができるはずです。
走り慣れている方やスピードを出さないで走る方はバランスが取れるので厚底シューズを使用してもいいでしょう。
ただし、路面が柔らかい時は足首を捻らないように十分注意してトレーニングしてください。
クロスカントリー(不整地)はどんな時に走る?
まずは「長い距離を走る」時。
メリットのところでもあげましたが、「筋力強化」には最適です。
またレースペースより遅くてもロードに比べて心肺機能に負荷がかかるのでバランスよく鍛えることができます。
レースまで時間がある「足づくり」の時期にクロスカントリー(不整地)走を取り入れるといいでしょう。
また一定ペースで走るペースだけではなく、ペースを変化させる「WAVE走」などにアレンジしてもトレーニング効果は高いです。
次に「疲労抜きで走る」時。
地面が柔らかければ足にかかる負担も少ないです。
高負荷の練習をした後やレースの後にゆっくり走るといいでしょう。
翌日に走るでもいいし、ダウンとしてクロスカントリー(不整地)を走るのもいいと思います。
最後に、「気分転換したい」時。
ロードを走ると決まったコースを走ることが多いのではないでしょうか。
また、街中を走ると信号待ちをしなければならなかったりとストレスの溜まることもあるでしょう。
クロスカントリーコースは公園内や緑が多い場所にある場合が多く、森林浴気分で走ることができます。
伸び悩んでいる時も新たな刺激がカラダに入って、再浮上するキッカケになるかもしれません。
最後に
理想はクロスカントリーコースとして整備されたコースを走るのがストレスなく走ることができると思いますが、身近にないことが多いと思います。
そんな時は比較的大きめの公園にある芝生の広場を走るとか河川敷の舗装されていない場所を走るといいでしょう。
またクロスカントリーコースよりはハードになりますが、山道を走って「トレイルランニング」をするのもいいと思います。
今、マラソン界で大きな勢力になっているアフリカ勢はクロスカントリーを積極的にやっていると聞きます。
我々も取り入れれば覚醒する日が来るかもしれません。