一般的にうヲーミングアップ(以下、アップ)は「準備体操」、クールダウン(以下、ダウン)は「整理運動」と訳されることが多い運動です。
アップは「レースやトレーニングに備えてカラダを温める運動」ことを指し、ダウンは「レースや高負荷トレーニングの後にカラダの疲労回復促進させる運動」のことを指します。
暑かろうが寒かろうが、どのようのな状況であっても、カラダを動かす準備であるアップと疲労回復を促進されるダウンは故障しないためにも必要です。
今回は「アップとダウンの重要性」についてお伝えします。
アップの目的
ランニングにおいてのアップは、ジョグなど低負荷の軽い動きからストレッチなどをします。
その後ランニングにつながる動きをするのが一般的なアップです。
カラダを動かすアップをすることで以下のような効果があります。
- 神経の伝達速度が速くなる
- 筋肉が動きやすい状態になる
- 血流量が増える
- エネルギー源が使いやすくなる
- 精神的な準備
「神経の伝達速度が速くなる」というのは動きの中でカラダを温めてから現れる効果です。
カラダを温めるだけなら運動をしなくても風呂に入ったりウェアを着込んだりするだけで大丈夫でしょう。
しかし、運動でカラダを温めるだけではランニングのようなカラダ全体を使ったスポーツにおいてはパフォーマンスが上がりません。
また、レース前などカラダに高負荷がかかるような運動を控えている場合は特にそうですが、故障防止策にもなります。
そしてアップは以下のようなことを行うのが基本です。
- ジョグなのどの軽い運動
- ストレッチや動き作り
- ウインドスプリント(流し)といったスピードを上げて走る動き
これらを行う時、走る環境に合わせたアップをすることも重要です。
ランニングは屋外で行われることが多く、天候や気温に影響を受けます。
寒い時はカラダを温めるために十分なアップの時間が必要ですが、暑ければアップをやりすぎてしまうと、それだけで疲れてしまい、肝心なレースやトレーニングで本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。
水分補給なども含め、これから走る環境に合わせてアップの量を調整しましょう。
ダウンの目的
ダウンはランニング終了後に行う運動を指します。
日本では「整理体操」、海外では「ウォームダウン」「リカバリー」と呼ばれたりしています。
日本の「整理体操」という意味合いでは高負荷のトレーニングを行った後、軽くカラダを動かすということにスポットが当てられています。
しかし、海外で言われている「ウォームダウン」「リカバリー」ということを考えれば、「疲労回復を促進するための軽い運動をし、その後にするマッサージやアイシングまでがダウン」と考えられます。
アップに比べダウンを積極的に行う方は少ないように感じます。
レース後やハードなトレーニングを行った後ほど軽い運動をして疲労回復を促進させたほうが翌日以降カラダの回復が早まるのは事実です。
疲労感が先行してしまい、カラダが思うように動かないのもわかります。
ウォーキングでもいいのでやりましょう。
少しでもカラダを動かすことで筋肉痛も軽くてすみます。
その上で血行促進させるマッサージや、冷却することで炎症が起きている筋肉を休ませるアイシングをして次に備えましょう。
最後に
ダウンはトレーニングそのものに意識が入ってしまうため、アップに比べ疎かになりがちです。
しかし、ダウンを怠ると疲労が蓄積してしまい、アップ不足とともに、故障につながる原因になります。
普段からアップとダウンはセットと考え、トレーニングメニューを考える時もアップとダウンを含めて考えるべきでしょう。
そしてダウンは翌日のトレーニングやレースのアップでもあります。
長く走り続けるために習慣化していきましょう。
参考:基礎から身につく陸上競技