世の中、夜型の生活をする方が多くなり、食事をする時間も毎日違ったり、1日二食だったりする方もいらっしゃると思います。
そのような生活をしていると朝食を取らないで仕事に行ったり学校に行ったりすることが多々あるのではないでしょうか。
また、ランナーの方であれば朝起きてカラダを動かすものの、体重を気にして朝食をあまり食べなかったりする方もいると思います。
しかし、それは間違いです。
起床後の食事は一番しっかり栄養を取らなければなりません。
今回は「朝食の重要性」について書いていきます。
朝食は断食明けの食事!?
英語で朝食のことを「Breakfast」と言います。
Breakは「壊す」という意味です。
ではfastは?
fastは「速い」という意味の他に「断食」という意味があるのです。
「fasting」というダイエット方法がありますが、これは固形物を取らないで食事制限することにより体調を整えるというものです。
つまり朝食を意味する「Breakfast」は「断食の状態を壊す」という意味になります。
寝ている間は固形物はもちろん水分もとりません。
カラダはエネルギーが枯渇している状態になっています。
それなのに朝起きた後、食事を抜いたり少量の食事しかできなかったらどうなるでしょうか。
もちろん一日動くためのエネルギーが足りなくなってしまうのです。
そして人間のカラダはエネルギーが枯渇すると、エネルギー切れを起こさないようにするため、一度に大量のエネルギーを溜め込もうとします。
そうすると昼食・夕食の量が多くなってしまい、これから活動が少なくなっていくのに一番カロリーを摂取する食事になってしまう傾向が出てきてしまいます。
朝食を抜くと体重が増えてしまう!?
同じ一日三食を食べるとしても「朝食・昼食・夕食」より「昼食・夕食(・夜食)」の方が食事で摂取したカロリーを消費しにくいと言われています。
夜に向けて活動が少なくなっていき、動き回っているより寝ている時の方が消費カロリーは少ないのは当然です。
そのため消費されなかったエネルギーが脂肪として溜め込まれ、体重増につながっていきます。
体重増だけならいいのですが、朝食を抜くことによる昼食・夕食の量が増えてしまうと、食事後の血糖値が高くなりやすくなります。
結果、糖尿病などにもつながってしまうリスクも出てきます。
朝食前に走り、朝食も少なめにしてカロリー摂取を控えても体重がなかなか減らなかったり体脂肪が減らない方がいるのは、昼食・夕食が多くなってしまうということが原因の一つに挙げられるのです。
朝食を取らないと夜型生活になる
最近の研究では朝食はエネルギー代謝に関係する肝臓の体内時計をリセットする役割があることがわかってきました。
(参照元:一生役立つ きちんとわかる栄養学)
朝食を抜き、最初の食事が昼食だった場合、体内時計をリセットする時間は「昼食をとる時間」ということになります。
体内時計は食事を取った時間を基準にカラダの代謝のリズムを作り始めます。
そのため最初の食事を取らなければ代謝が活発化しないため、消費エネルギーが減って脂肪が溜まりやすくなっていきいます。
さらに代謝が上がると体温も上昇しますが、体温が高くなる時間が短くなると消費カロリーも抑えられてしまいます。
朝食を抜くことで「睡眠→起床→食事」というサイクルが乱れてしまい、「代謝が始まらない」「消費カロリーが抑えられてしまう」ということが起きます。
すると同時に24時間周期の本来のリズムを崩し、生活がより夜型になってしまうのです。
そのため朝食を抜くことはリスクが高いのです。
どんな朝食が理想?
理想は「和定食」です。
主食・主菜・汁物もしくは副菜という組み合わせで朝食が取れれば十分と思います。
朝食前にトレーニングをしている方はこれに「果物」があればさらにいいでしょう。
食事の前にプロテインを飲んでもいいと思います。
タンパク質はお腹にたまりやすく、食べ過ぎを防いでくれます。
またタンパク質は先ほど書いた「肝臓の体内時計リセット」にも関わっていると言われているので焼き魚や卵料理などを取り入れてみましょう。
最後に
仕事や学校の昼休みに昼食を食べると午後急激に眠たくなる時があることはありませんか?
これは昼食を取ることで血糖値が急激に上昇し、その後血糖値が急降下するために起きる現象です。
朝食を抜いてしまうと、活動するためのエネルギーを昼食から取ろうとするため、多めの昼食になったり、活動するのに必要な炭水化物を多くとってしまうからなのです。
朝食をしっかりとっていれば、昼食で食べすぎて午後眠くなるということは少なくなるはずです。
正しい生活リズムを続けるためにも朝食の重要性を見直していきましょう。
参考資料:
参考:保健指導リソースガイド