マラソン大会のハイシーズンは11月から2月にかけて。
秋の終わりから冬が多いですね。
その理由は「走りやすいから」
マラソンは長時間カラダを動かし続けるスポーツ。
体温の上昇を低い気温が抑えてくれるため、カラダへの負担も他のシーズンに比べて低く抑えられます。
しかし、暖かくなり始める3月中旬から5月にかけて行われるフルマラソンもありますし、まだ暑さが残る10月に行われるレースもあります。
ましてや8月に行われる北海道マラソンやハワイで行われるホノルルマラソンは冬とは比べ物にならないくらい高い気温の中走る可能性があるレースです。
2022年3月に行われた東京マラソンは予想以上に気温が上がったため、足がつったり脱水になりかけたランナーもいたと聞いています。
このように「季節外れの暑さ」と戦わなければならないレースも今後増えてくるでしょう。
そのため「暑さ対策」をしっかりして「気温が高い中開催されるレースを攻略する」ことを常に頭の中に入れておく必要があるのです。
とはいえ、何をどうすればいいのかわからない方も多いはず。
「これをやれば目標達成できる」方法をお伝えしていきたいと思います。
練習編
10km走や20km走をやる時、夏と冬、どちらの季節の方がキツく感じますか?
「どちらも同じ」という方もいると思いますが、多くの方は「夏」の方がキツく感じると思います。
理由はお解りでしょう。
「暑いから」です。
気温が高ければ体温の上昇が早くなり、体内の熱の放出為に早い段階から大量の汗をかかなくてはなりません。
気温が暖かくなる春も気を付ける必要があるのです。
「春」は「夏」に比べ、まだ気温が低いから「夏」と同じように考えるのは大袈裟では?
と考える方もいると思います。
とはいえ、春も朝昼の寒暖差はなかなかのものです。
朝は気温一桁だったのに昼には気温20℃前後まで上がるということもよくあります。
春はカラダを動かしやすい気候なので、春→夏の季節の移り変わり時期に比べて問題ないように思うかもしれません。
しかし、この気温差は冬の寒さに慣れてきたカラダにとってはかなりの負担がかかります。
そのため、レース直前になったら冬のレースの準備の時より練習強度を落としたり練習量を落とすことが重要になってくるのです。
レース1ヶ月前までは、冬と同様に追い込んだ練習をしてもいいと思います。
ただ、冬に比べ気温の高い中での練習するため、疲労抜きに時間がかかる可能性があるので注意しましょう。
実際に私は北海道マラソン参戦時、疲労抜きに失敗しました。
また、月間走行距離を追って練習している方は冬のレース準備と同様に走り込みをしてしまうと予想以上に疲労がたまります。
個人的には月間走行距離は冬の8~9割でいいでしょう。
300km走っているなら240~270kmくらいに抑えるイメージです。
そして走る距離が少なくなるため、「距離走」や「インターバル」はより重要度が増すことになると思います。
レース直前編
個人的に春夏のレース、特にフルマラソンに関して、重要視しているのは「水」
汗をかく量が必然的に増えるので、水分は冬に比べ普段の生活から多めにとるようにします。
特に走った日は意識してしっかり水分補給。
そしてレース2日前くらいから「カーボローディング」ならぬ「ウォーターローディング」をするようにしています。
普段から最低でも2Lは水を飲んでいる私ですが、これにプラスして約1Lのスポーツドリンクを飲みます。
ただ、市販されている濃さだと糖分を摂り過ぎてしまう可能性があるので半分に薄めてことが多いですね。
これで水分と共に電解質をカラダの溜め込むようにしています。
スポーツドリンクはお好みのもので構いません。
私はレースの給水所でよく出てくる「ポカリスエット」を飲むことが多いです。
ペットボトルで買ってしまうと薄めるのが面倒なので愛用しているのは「パウダー」
愛用しています。
そしてこれを最近30km走の前に試してみました。
飲んで30km走った時と飲まなかった時ではカラダの状態が違ったように感じています。
私はポカリと一緒に飲んで試しています。
もし興味があれば試してみてください。
大量に汗をかく方は普段の練習中から「塩タブレット」をとるといいと思います。
ウォーターローディング中は「AMINO SAURUS アミノサウルス ローディング サウルス」の代わりにしてもいいですね。
またレース中も持っていると安心できます。
レース当日編
まず考えるのは「太陽光 対策」
気温が上がるのは「晴れ」の日がほとんど。
暑さに加え、太陽が体温をどんどん上げていきます。
そこで「日焼け止め」が大活躍。
紫外線を防ぐ効果が高いものほど、肌が熱くならず体内に熱がこもりにくくなります。
これは夏の北海道マラソンで実証済み。
さらにウォータープルーフで水を弾く効果があれば、水を被っても日焼け止めが落ちることもありません。
さらに、水をかけたことによる冷え過ぎも防いでくれます。
オススメは北海道マラソンで直接メーカーの方から説明を聞き、その効果を実感した「アネッサ」です。
運動時に使用する時は、「量をケチらないこと」がポイント。
試供品一袋(約4g)の量で一部位計算なので、顔&首周り・腕x2・足x2で試供品5袋分は必要。
最初は「こんなに塗るの!?」と思うかもしれません。
私もそう思いました。
量を守れば太陽光が肌を焼くような感覚はあまり感じないはず。
カラダに負担をかけないためにもしっかり塗ってください。
また、ウエアは白系や薄い色のものがオススメ。
キャップに関してはゴール予想タイムが遅いランナーほど光を反射する白系のものを用意しましょう。
次に意外と熱がこもりやすいのが「ロングタイツ」
UVカットするものであればまだいいのですが、生地が厚いロングタイツは太陽光を吸収しつつカラダに溜まった熱を放出しにくいものもあります。
「熱く感じたら水をかけながら進む」などの対策を頭の片隅に入れておく必要があるでしょう。
最後に給水。
基本的にスポーツドリンクだけ狙って給水します。
水だと汗で流れ出た電解質が補給できません。
電解質を補給できない状態で大量の汗をかき続けると「脱水症状」になります。
個人的にはジェルを流し込むのもスポーツドリンクの方がオススメ。
とにかく汗で出てしまったものをスポーツドリンクで補い続けるのが得策でしょう。
最後に
寒い時期のマラソンと暑い時期のマラソンは違います。
暑い時期のマラソンは準備が増えるのです。
さらに記録も遅くなるのが普通です。
冬と同じような記録を出したい場合は今回お伝えしたことの他に「暑さへの順応(暑熱馴化[しょねつじゅんか])」が必要となってきます。
これに関してはレースの行われている時間と同じ時間帯に練習するなどして順応していくしかありません。
近年熱中症になる方がマラソンをやらない方でも増えていますが、「暑さへの順応」ができていないのです。
暑さに慣れ、その上で今回紹介したことをやって納得のいくレースをしましょう。