この記事は「東京マラソン2021」をテレビ観戦した後に書いています。
実際のレースは優勝候補が好記録で順当勝ちしています。
特に男子はケニアのキプチョゲ選手の強さが際立ったレースでした。
I am so proud to win in the streets of Tokyo, where the people have running in their heart and minds. It’s great to now have won 4 out of the 6 Abbott World Marathon Major races. Finally, I want to say I want this world to unite. My win today is to bring positivity in this world. pic.twitter.com/xBnEvTcPmY
— Eliud Kipchoge – EGH🇰🇪 (@EliudKipchoge) March 6, 2022
どうやったらこんなふうに記録を残せるのか。
キプチョゲ選手をはじめ、色々なエリートランナーや市民ランナーの上位の方のSNSでどんな練習をしているかみてきました。
インターバルを重視
レースまでに行うロング走の回数を重視
レースペース走やテンポ走を重視
変化走やファルトレクなど心肺系トレーニング重視
などなど。
これらについてはこれまで私も書いてきましたので、その重要性はわかります。
でも、全部やろうとしたら練習強度が高すぎて、記録を出す前にカラダが潰れます。
しかし、共通点はあります。
ほぼ全員が日々「ジョグ」をしているということです。
ジョグは練習強度としては低い方の部類に入りますが、「チリも積もれば山となり効果が現れる」のがジョグです。
やはり練習の基本は「ジョグ」なのです。
この「ジョグの質」次第でタイムが変わってきます。
2021-2022のマラソンシーズンも終わりに近づいていますが、改めてジョグについて考えていきたいと思います。
マラソン練習における「ジョグ(JOG)」とは?
マラソン練習におけるジョグとは以下のように考えられます。
「自分のカラダを運動するために呼び起こし、さらに動けるようにカラダの機能を覚醒させるもの」
ジョグはウォーミングアップで行うものというイメージが強いのは事実です。
実際に辞書にもそう書かれています。
陸上競技で、ゆっくり走ること。競走前のウオーミングアップとして行う。現在は一般に健康法として広く行われている。ジョギング。
引用:goo 辞書
とはいえ「カラダをさらに動けるようにカラダを覚醒させる」働きもあります。
ジョグをうまく使えば、先にあげた「練習強度の高いインターバル」をやらなくてもタイムを向上させることができるはずです。
そして普段の練習の中心としての役割だけではなく、「レース直前の調整」といった自分の調子を測るバロメーターとしての役割もあります。
シーンに応じてアレンジできるからこそ「気をつけたいこと」
「エリートランナー」から「走りはじめたばかりのランナー」まで共通してできる練習。
それが「ジョグ」
そんな「ジョグ」だからこそシーンに合わせたアレンジが可能な万能練習です。
「時間」「距離」「走るスピード」などを決め、準備体操を終えたら決めた設定通りに走ればいいだけです。
時間や距離を長くしたり走るスピードを速くしたり遅くすれば、運動強度も変えることができます。
マラソンは長い距離を長時間動き続けるスポーツです。
それに耐えられるカラダを作るためにジョグで長距離長時間走り続けるのは「アリ」だと思います。
距離耐性をつけるために20km~30kmのジョグをするランナーもいます。
ただジョグは「毎日継続しても問題ない練習強度で走る」というのが基本と私は考えています。
そのためインターバルやレースペース走といったような「強度の高い練習」にしてはいけません。
そのため先にあげた「時間」「距離」「走るスピード」の3つのうち、「走るスピード」には十分気をつかいたいところです。
「走るスピード」がレースペースに近づけば近づくほど練習強度は高くなります。
そして「レースペースもしくはそれ以上のスピード」はカラダに大きな負担をかけます。
そうなると確実に「休養日」が必要なトレーニングになってしまい、ジョグが「カラダをさらに動けるようにカラダを覚醒させる」どころか故障の原因になりかねません。
ジョグのペースはどんなに速くても「レースペース+1分」でしょう。
それ以上の速さで走るともうジョグではなく別の練習になってしまうと私は考えます。
毎日走ることによるカラダへの負担を考えたら日々行うジョグのペース「レースペース+2分」でもいいくらいです。
私を例にあげましょう。
現在フルマラソン2時間50分切りを目指していますが、平均ペースは1kmあたり約4分。
そうなると「1kmあたり5〜6分前後」が無理なくジョグができるペースになります。
スピードは出せるので、足が軽いとジョグが1km5分を切る時もあります。
しかしそういう時に限って翌日疲労が抜けなくて予定の距離を走ることができなかったり、疲労が溜まりすぎて故障したりするのです。
スピードを出しすぎるジョグは何も生み出さないと身をもって実感しています。
やはり、ジョグは「毎日継続しても問題ない練習強度で走る」というのが基本です。
そして、日々ジョグしかできなくても、できる限り継続して走ることで「スタミナ」が強化され、疲れに強いカラダになっていきます。
これは早いランナーでいうポイント練習とポイント練習の間に行う「つなぎのジョグ」と同じこと。
継続して走れるようになることがジョグの質をあげ、レースで結果を出すことに繋がっていくのです。
だから「ジョグって大事」と私は思うわけです。
最後に
「たかがジョグ、されどジョグ」
やり方次第ではジョグだけでもフルマラソンの記録は伸びると思います。
実際に私が3時間一桁台まで記録を伸ばした時は
「5~6分/kmで6~7kmジョグ+流し」
を日々繰り返していました。
そしてレース2ヶ月前と1ヶ月前に30kmジョグです。
サブスリーを意識しはじめてからは流石にレースペース走などをやりましたが、基本的な練習は「5~6分/kmで6~7kmジョグ+流し」です。
早いペースではあまり走っていませんが、レースペースはジョグの後の「流し」でカラダに染み込ませていった感じです。
記録が伸び悩んでいたり、交渉が多くなってきているランナーはジョグの内容を見直してみましょう。
強度の高い練習ばかりに目を向けず、「基本練習」を見直すことで状況が変わりますよ。