2021-2022冬の関東地方は強い北風が吹くことが例年より多い印象があります。
私が所属するニッポンランナーズでペース走をする時、コースが田園地帯のため風の影響は大きいです。
そんな中、私はペーサーをするわけですが、風がない時や風が弱い時と同じように設定されたペースで誤差少なく走ることができます。
レースでは「風避け」になってしまうことが多いです。
集団の後ろにいたはずなのに、いつの間にか集団の先頭で引っ張っていることもしばしば。
一番印象に残っているのは千葉マリンマラソン(ハーフ)で海沿いを走っている時。「周りのペースが落ちているなぁ」と思いながら走っていたら、私の後ろからすごい足音が。
後ろを見たら、私の後ろに長い列ができていました。
しかしそのレースでは最後まで集団を引っ張り続け、当時の自己ベストで走った記憶があります。
そう、私は風に意外と強いのです。
そのため「どうやったら風に強くなれるのか」特に向かい風の時の走り方についてよく聞かれます。
今回は身長180cmの私が強風の中走る時に心掛けていることについてお伝えしていきます。
エリート選手は「風に強い」?
もちろん私も最初から強風の中で安定したペースを刻めた訳ではありません。
向かい風の時はペースが落ち、追い風の時はペースが上がり、そしてペースの上げ下げの幅が大きくなるのでカラダが疲れてタイムが落ちる。
そんなことを繰り返していました。
でもマラソン中継をエリートランナーの走り方やフォームに注意するように見るようになってから「気づき」が。
それは、
「エリートランナーは向かい風のレースでも極端にレースペースは変わらない」
ということ。
マラソン中継で向かい風に押し返されているような感じのランナーはほとんどおらず、淡々と走るランナーがほとんど。
集団の前で走るランナーも、多少の影響はあるでしょうが、風の影響がないかのように走っているように見受けられます。
もちろんペースメーカーもしかりです。
そして出した結論がこれ。
「正しいフォームで走れば風の影響は受けにくい」
さらに前傾姿勢が取れれば風の影響はもっと少なくて済むというところでしょう。
実際に、私もフルマラソンの自己ベストタイムが早くなれば早くなるほど、風が強い日に走っても普通に走ることができているのです。
もちろんこれは「フォーム改造」から出た副産物です。
そのため風が強い日こそ「走るフォーム」「走る姿勢」を注意するようにしています。
では具体的に走り方をお伝えしていきます。
強風の中での走り方
先にも書きましたが、風が強い時ほど「正しいフォーム」「理想のフォーム」で走ることを心掛けます。
意識するのは以下の3点です。
-
姿勢
-
肩甲骨の動き
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骨盤の動き
これができていない時は上半身と下半身の動きが連動せず、向かい風では押し戻され、追い風の時はうまく風に乗ることができません。
特に骨盤が動いていないとフォームが後傾になってしまうと姿勢も後ろにのけぞってしまう感じになってしまいます。
そうすると向かい風の時はかなり苦しい走りになるはずです。
正しい「姿勢」で「肩甲骨」「骨盤」が動いていればフォームは自然と「前傾姿勢」になります。
そうなれば風が強い日であっても「緩やかな坂道」を走っている感覚で走ることができるはず。
少なくとも私はそうです。
まずはフォームを見直してみましょう。
そして次に意識することは、少し触れましたが、「風の強い日は坂道を走る感覚で走る」ということです。
向かい風は上り坂のつもりで、追い風は下り坂のつもりで走ります。
この「坂道を走る感覚で走る」というのはよく言われていることです。
しかし、走っている時に前傾姿勢ができていないとこの感覚では走れません。
前傾姿勢ができていないランナーは、かえって精神的にキツくなると思います。
「風の強い日は坂道を走る感覚で走る」が今ひとつわかりにくいランナーは坂道ダッシュをぜひやってみてください。
坂道ダッシュをやって、重心がカラダの上の方になり、足への負担が少なくなってくると、風が強い日に走っても以前より楽に走れるようになります。
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これで単独走の時でも風に対する苦手意識は減るはずです。
レースの時には集団の中で待機し、前にいる人を風避けに使えば楽にレースを進めることができるでしょう。
また集団の前に出されてしまった時はペースを上げるチャンスです。
後ろにつかれで風避けにされるくらいなら一旦ペースを上げ、集団を引き離しにかかりましょう。
単独走でも風に対する苦手意識が多少でも克服されていれば、あげたペースでそのまま行ける可能性が高いです。
仮についてきたランナーがいた場合、400~500m走ったら自分のペースを一旦下げ、後ろのランナーを先にいかせましょう。
そしてその後ろについて再び体力温存して次のスパート時に備えるのがベストの対応。
うまくいけば、ローテーションで集団の前を走ることになり、さらに楽にレースを進めることができるでしょう。
最後に
私が風が強い日でもペース設定を守りながら走ることができるようになったのは、上り坂に強くなってから。
一時期トレイルレースに参戦していたのですが、その時にしていた山でのトレーニングのおかげで上り坂に強くなりました。
それが今強風でもペースを守れる原動力にになっています。
他のランナーが苦手にしてる環境を苦にせず走ることができるのは大きなアドバンテージです。
それが心の余裕を生むと思っています。
まずは「風」から克服していきましょう。