こんな話をよく聞きます。
「初めてフルマラソンを走るのに、何もせず残り1ヶ月になっちゃった!!!」
ほとんどの場合、友人に誘われるがままにエントリーをし「やるぞ!」と決心したものの、走る習慣がないので練習をしないままズルズルと時間だけが過ぎていった、と言うパターンでしょう。
また2020年、2021年に関してはレースにエントリーしても「中止っぽい」と自分で判断してしまい、「開催予定」との案内に焦ってしまうパターンもあると思います。
フルマラソンに関しては、本来であればしっかり練習をしないとゴールするのが難しいスポーツです。
しかし「なんとかならないか」というランナーがいるのも事実。
オススメはしませんが、初フルマラソンでも「時間内ゴール」はなんとかなるかもしれません。
今回は「なんとかする方法」をお伝えします。
フルマラソン完走経験者は自分の状況に合わせてアレンジしてみてください。
フルマラソンに「まぐれの完走」はない
野球の試合において、勝った時には特に理由が見つからない時があるが、負けた時は必ず負ける理由がある、という名言です。
フルマラソンに関してもそうです。
結果が出た時は「調子がよかった」くらいしか理由が見つからないことが多いですが、思うような結果が出なかった時はたくさんの反省点が出ることが多いです。
そのため、レースまでに納得がいく練習を積んでいなければ結果は出ません。
フルマラソンはレースまでのプロセスがとても重要なのです。
一か月では自分が思うような結果を出すことは難しいでしょう。
初マラソンや初心者の方であれば、運動経験がない限り「時間内完走」がギリギリだと思います。
しかし、やらないよりはマシです。
駆け込みトレーニングで「時間内完走」できる確率を上げましょう。
最優先で取り組むのは「体力強化」
フルマラソンは「体力・スピード・精神力」の3つを鍛える必要があります。
42.195kmを走り切る体力(持久力)、時間内完走や目標タイムを切るためのスピード、辛くてもゴールに向かう意思を持ち続ける精神力、どれが欠けてもゴールするのは難しいでしょう。
しかし、一か月という短い時間では3つ同時に鍛えるのは不可能です。
そこで、「ゴールまでなんとしても辿り着く」ために体力強化を優先します。
順調に体力強化ができればあれ程度のスピードがつき、余裕も生まれるのでメンタルにも余裕ができるかもしれません。
そして、時間内にゴールするためには、これが重要になります。
制限時間の半分の時間より10分程度早い程度で中間点を通過すること
「10分も早く?」と思われるかもしれません。
しかし、トレーニングしていなければ間違いなく後半のタイムの方が前半のタイムより必ず遅くなるはずです。
そのため早く中間点を通過する必要があります。
また仮に6時間完走を目標とすると前半を2時間50分で通過するには1kmあたり約8分、後半3時間10分で走り切るには1kmあたり約9分になります。
前半は走ったり歩いたりを繰り返し、後半は早歩きメインとすればゴールできる可能性が高くなります。
そのため「できるだけ早いスピードで歩き続ける」ために「体力強化」に取り組むことが必要なのです。
体力強化の方法
42.195kmという距離を進み続けなければなりません。
先に「前半は走ったり歩いたりを繰り返す」と書いた通り、多少なりとも走れなければ完走は無理です。
最低でも15~20kmは走ることができ、さらに3時間歩くことができるようになるのが目標です。
そこで何をするか。
まずは「レースまで毎日1時間は歩く」ことです。
とにかく毎日累計1時間以上歩いてください。
レースで使用するシューズを履き、履き慣らしも同時に行います。
1時間通しで歩けるようになったら30~60分間のジョグも追加でやってみましょう。
ヒザが痛くなる可能性もあるので、体力に自信がない時は歩きに専念してみてください。
また筋肉痛になるはずです。
しかし筋肉痛が出ても歩けるスピードで毎日のトレーニングは継続しましょう。
レース中に筋肉痛は出てきます。
多少の筋肉痛でも歩き続けられるようにしておくことも必要です。
そしてレース一週間前に15~20kmを歩かず走れるようになっていれば、ゴールできる可能性は高くなっています。
レース3日前までは歩きだけにし、2日間完全休養して疲れを取り、レースに挑むといいでしょう。
逆に走れなかった方は、ゴールできる可能性は低いです。
せめてレース前日まで1時間歩くことを継続してカラダを動かしておき、レース当日も「練習の延長」として挑むしかありません。
最後に
レースの3か月前から準備ができれば、フルマラソン完走はできると思います。
今回紹介するしたような「付け焼き刃トレーニング」はカラダのためにもできるだけ避けてください。
フルマラソン完走経験があり、故障していて1か月前になんとかなりそうな状態になって急ピッチで仕上げにかかる方もいるでしょう。
ただその場合もレースで結果を出すのは難しいです。
練習の一環としてレースに出て、また別の機会に頑張るというようにした方が故障の再発も防げます。
個人的にフルマラソンは「究極の長距離種目」だと思っています。
甘くみない方がいいスポーツです。
チャレンジする場合はエントリーした時点から練習を開始しましょう。