2021年の夏も猛暑が続きました。
日中はもちろん、朝も夕方も夜も暑く、秋にレースを控えている走り込みたいランナーにとっては厳しい夏でした。
とはいえ、気温が高かった分、走り始める時は意外とカラダは楽だったランナーは多かったのではないでしょうか。
気温はカラダは走る前からすぐ汗をかいてしまうくらいの状態だったと思うので、アップが少なくてもそれなりに走れたと思います。
これから気温が下がって涼しくなり、夏にがんばったランナーほど走りやすい季節がやってきます。
ここで故障してしまっては今までの努力が水の泡となってしまいます。
今回は夏から秋にかけて注意していきたい点についてお伝えしていきます。
秋のレース直前に故障するランナーの傾向
秋に故障しやすいランナーの傾向として以下のようなものがあげられます。
- 夏場に思うように走れなかったため、走る距離を一気に多くした。
- 夏に頑張って走ったためカラダに「疲労」が蓄積されていた。
- 夏アップが少なくても問題なかったので、涼しくなってもアップが少ないままだった。
それぞれについてみていきます。
夏場に思うように走れなかったため、走る距離を一気に多くした
これに関しては「焦り」が原因です。
夏の暑さのため、予定していたメニューをこなせなかったランナーがこうなります。
夏でも「20kmペース走」とか「〇km x 10インターバル」をやる予定だったところを「半分の10kmしか走れなかった」とか「10本のところ7本しかできなかった」というのが焦りとなってしまっているのです。
涼しくなって走りやすくなって、夏の分を取り替えそうと頑張るのですが、それがオーバーワークとなってしまい故障してしまうパターンです。
夏に頑張って走ったためカラダに「疲労」が蓄積されていた
これに関しては「休養不足」が原因です。
夏の暑さの中、予定通りにメニューはこなせたものの、カラダにとってはそれが「オーバーワーク」となっています。
カラダの芯には疲れが残っている状態であるにもかかわらず、涼しくなって走りやすいということで練習強度を上げたため、カラダが悲鳴をあげて故障してしまうパターンです。
夏アップが少なくても問題なかったので、涼しくなってもアップが少ないままだった
これに関しては、「準備体操(アップ)不足」が原因です。
春先から走り始めた方や時間がなくていつも準備体操が少なめの方がこれが原因で故障しやすいのです。
春先から走り始めた方は、最初は走る時間が短かったはずです。
そして「どんどん気温が高くなる」気候の中走り続けてきたので、準備体操をそれほどしなくてもカラダは温まりすぐに走る状態にできたと思います。
秋が近づいてくるとどんどん気温が下がってきます。
そうなると春先からやってきた準備体操だけではカラダが温まりません。
しかし、習慣化してしまったものは簡単に変えることは難しいのです。
カラダが温まっていないのに、今までと同じ準備体操だけで同じように走り始めてしまうので、走る距離が伸びてきたところで故障してしまうのです。
準備体操が普段から少ない方も「準備体操の時間が短い習慣」が身に付いてしまっています。
準備体操が短くても、気温が高いに走った時はペースは上げにくかったけどそれなりに走れたと思います。
しかし涼しくなってくると準備体操が少ないとカラダの準備ができていないまま走り出す可能性が高くなります。
すると、カラダの準備ができていないのに早いペースで走り始めるため、足に痛みが出てくるということにつながってきます。
9~10月に故障しないために意識することは一つだけ
ではロードレースシーズン直前の9~10月に故障しないためにはどうすればいいのでしょうか。
意識するのは一つだけです。
「準備体操(アップ)を多めにやりましょう」
これだけです。
「なんだそんなことか」と思う方もいらっしゃると思います。
僕は実業団の選手や大学陸上部だった方など競技として走っている方がアップしているところをよくみますが、アップにかける時間は短くても20分、強度が高い練習をする時はその倍くらい時間をかけて走る準備をしています。
「アップをしっかりやっておけば故障しない」
そう話していた元実業団のランナーもいます。
準備ができていれば、夏の遅れを取り戻すためにトレーニング量を増やしても故障しにくくなるのは当然です。
そして、疲れが残っているランナーであればアップ中に異変を感じて、走る距離を調整したりすることができると思います。
走りやすい季節ほど準備に時間をかけましょう。
最後に
準備体操をどうやって増やしたらいいかわからない方もいらっしゃると思います。
ちなみに、競技として走っている方のアップはジョグの前に入念なストレッチやコアトレーニング、軽めの筋トレをしてからジョグをし、最後に動き作りをやってからメニューに入っています。
しかし、時間が足りない市民ランナーはそこまでする時間的余裕はありません。
そこでこんなアップはいかがでしょうか。
- 自宅の部屋でいつもの準備体操+筋トレ(腹筋・背筋・スクワットを各10回)
- 外に出て100mほど歩きながら肩回しと股関節回し
- 走る予定距離の最初の1kmをアップジョグにする(自分が超ゆっくりと思うペース)
- 2kmから予定ペースで走る
これは僕が普段朝ランする時のルーティンです。
特に「3」はペースが早くならないようにします。
長めに走る時は「4」を「ビルドアップ走」にしています。
世界中にいるランナーの普段の練習は「ジョグ」が中心になると思います。 ジョグをすることで体調を整えたり、疲労回復をしたり、スタミナ強化もできます。 まさにジョグは万能練習でもあるのです。 しかし、レースに向けての練習となるとそ[…]
さらに予定距離を走り終わった後、「1kmの超スロージョグもしくは歩き」をして、余裕があればさらにストレッチ。
余裕がない時は日常生活の中で隙間時間でストレッチをしています。
走る前の準備を入念にして、本番前に故障しないようにしていきましょう。