スポーツを継続的にしている方は、カラダのケアの一環として「栄養補給」にも気を使っていると思います。
最近は、運動後すぐにプロテインを飲む方を多く見かけるようになりました。
手軽に飲めるようになったこともあり、「運動後すぐに栄養補給した方が良い」という考え方が広まってきたということでしょう。
スポーツにおける栄養補給の目的は「コンデションの維持」と「パフォーマンスの向上」が大きな目的です。
そのため筋肉を作るための材料である「タンパク質」をすぐ摂取するのは正解です。
しかし、長時間カラダを動かし続ける長距離選手は「タンパク質」も重要ですが、カラダを動かし続けるエネルギー補給も重視しなければなりません。
「プロテイン摂取」だけに偏るのもよくないのです。
今回は「長距離選手の栄養戦略」について考えてみます。
筋肉疲労はなぜ起こる?
トレーニング後に栄養補給する主な目的は「筋肉疲労からの早期回復」です。
速い段階で栄養補給することでカラダの修復が早期に始まります。
でも実際のところ「筋肉疲労」はどうやって起きているのでしょうか。
まずはそこをおさえましょう。
筋肉疲労の主な原因は以下のようなものと考えられています。
- 疲労物質の蓄積
- 筋肉の硬直
- エネルギー不足
ではそれぞれについてみていきます。
疲労物質の蓄積
運動中にカラダにあるエネルギーを使うと、エネルギーが無くなっていきます。
それに代わってカラダに乳酸など疲労物質が溜まってくるためです。
筋肉の硬直
これは筋肉を使い続けて硬直してくると、血行が悪くなってきます。
血行が悪くなると、筋肉が硬直し続けることになり疲労が溜まってくるということになります。
また血液が疲労物質を流せなくなるため、慢性的なつけれにも繋がってくるというわけです。
エネルギー不足
長時間運動していると多くのエネルギーを必要とします。
筋肉を収縮させるためのエネルギー源として、筋肉内にある「クレアチン酸」という物質も使います。
クレアチン酸は筋肉にエネルギーを供給しますが、すぐその役目を終えます。
また、筋肉や肝臓にあるグリコーゲンという物質をブドウ糖に分解してエネルギーとしてカラダを動かすのですが、グリコーゲンの貯蔵量が少なければタンパク質を分解してエネルギーを作り出します。
ある意味「筋肉を削りながらエネルギーを作る」ということになると思います。
持久力向上のための栄養戦略
長距離選手にとって注目したいのは3つ目の「エネルギー不足からくる筋肉痛」です。
「筋肉を削りながらエネルギーを作る」と書きましたが、カラダの中に糖質が足りないと、いくらタンパク質を摂取しても筋肉からエネルギーを作り続けてしまうということになります。
そのため運動後のプロテイン摂取も重要ですが、カラダを動かすためのエネルギーであるグリコーゲン量を回復するために「糖質」も補給する必要が出てくるわけです。
そのため十分な糖質を含む食事も必要となってきます。
糖質の補給は運動前と運動中に注目がいきやすいですが、運動後もタンパク質とともに糖質も取りましょう。
一番いいのは「炭水化物」「タンパク質」を豊富に含んだ食事をすぐに取るのが理想ですが、トレーニング後すぐバランスの取れた食事を用意できるのは市民ランナーにとってはほぼ不可能。
そのため、運動直後はプロテインをだけでなくスポーツドリンクを飲むとか、プロテインでアミノ酸顆粒を飲んで最低限の量を摂取し、改めて食事で補うのがベストだと思います。
最後に
最後に「改めて食事で補う」と書きましたが、食事量には注意しましょう。
ここで注意する量とは「食べ過ぎ」ではありません。
「足りない」方です。
タンパク質は腹持ちがいいことで知られています。
運動後、プロテインを飲むとお腹にたまり意外と満腹感を得てしまう方が多いのです。
減量中ならまだいいのですが、ここで食事の量が少ないと「間食」が多くなる可能性が高くなります。
間食は「お菓子」になる確率が高いでしょう。
そうなると「糖質の過剰摂取」となり、体重過多やエネルギーを燃焼する過程で使われるビタミンB1の欠乏を招く可能性もあります。
運動後の食事をしっかりとったほうが間食を取るよりいいと考えます。
栄養は偏ってはいけません。
バランスよく摂取しましょう。