10月11月にフルマラソンのレースを控えているランナーは、猛暑が続く夏もトレーニングをしていたと思います。
実際のところ2021年東京マラソンが開催されるのは10月17日であり、この記事を書いている8月23日の2か月後になります。
フルマラソンの準備は3ヶ月はかかるため、7〜8月の暑さが続く日が多い時期でもある程度の距離は走り込んで距離に慣れておく必要があります。
以前、夏のトレーニングついて書きました。
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しかし、シーズンインが目前の今の時期は、同じ「夏」でも意識を変える変える必要があります。
今回は残暑の季節のトレーニングについてお伝えしていきます。
「無理をしない」が基本
金メダルを期待されたウォーカーが苦渋の選択をした。19年世界選手権(ドーハ)男子50キロ競歩金メダリストの鈴木雄介(33…
記事ではドーハ世界選手権でのカラダへのダメージが大きく、十分な練習が積めないため代表を辞退したとあります。
ドーハ世界陸上の50km競歩が行われた時の気候は「気温30度、湿度70%」でした。
日本の夏の平均的な気候に似ていますが、レースだったことを考えれば、カラダにかなりの負担がかかったということになります。
秋のフルマラソンを目指すために、夏に20km以上のロング走をはじめとする「長時間高負荷練習」をしたランナーもいるでしょう。
しかし、残暑の季節になっても冬のマラソン用のトレーニングと同じように定期的なロング走をするとレースまでに疲労が抜け切らない可能性も出てくるのです。
そうなると、レース直前の調整時期になっても調子が上がらず、疲労を残したままレースに臨む結果となる可能性が高くなります。
7〜8月に頑張ったランナーほど一旦練習内容を振り返り、そしてカラダの疲労度をチェックしてください。
疲労がほとんど残ってなければ一週間程度はジョグだけで練習を終了し、9月に入るくらいからもう一度カラダに負荷をかけて調整していくのがいいでしょう。
逆に筋疲労が残っていたり、体調を崩しがちのランナーは2~3日まとめて休養を取り疲労回復を優先する必要があります。
夏の終わりは「無理をしないで疲労を溜め込まない」というのが重要です。
残暑の季節のトレーニング
気温が30度前後の日が続いている時は、基本的に「短時間」でトレーニングを終わらせるのが基本です。
目安は1時間くらい。
長くても2時間でしょう。
オススメはビルドアップ走です。
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走る距離が短くても最後はペースを上げて終わるので、「練習をやった感」が残ります。
また普段から「徐々にペースを上げていく」という走り方に慣れておけば、レースでもそのような走り方ができる可能性が高いでしょう。
実際に世界のトレンドも「レースは後半ほどペースが早くなる」となっています。
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さらにペースを上げて終われば心肺機能にも刺激が入るので、涼しくなった時期に早いペースで走る練習をするとなった時でも、疲労が抜けていれば、十分対応できるはずです。
フルマラソンの距離に対応するため、どうしても距離走したい場合は涼しい時間に行いましょう。
気温30度近い中での連続して20~30kmを走る距離走は疲労も残りますし、何より熱中症になる可能性があるからです。
距離走が終わったらカラダに残る熱と疲労を取るためにアイシングをしてカラダを十分に冷やしましょう。
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カラダに大きな負担をかけないようにするためには「分割走」をするという方法もあります。
いずれにせよ、「疲労を残さないようにする」ということが重要です。
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最後に
なぜ人はトレーニングをするのかと言えば「結果」を出すためです。
トレーニングをし続けるためにトレーニングをするのではありません。
記録を出すためにしろ、乾燥するためにしろ、カラダが万全の状態でなければレースで結果が出ません。
結果を出すためには最低限「カラダの芯に疲労が残っていない状態でスタートラインに立つ」ということが必要になります。
「夏バテ」という言葉があるくらい残暑の季節は疲れが残りやすい季節です。
休養を十分にとりながら、秋のレースに向けて調整していきたいものです。