2021年8月8日。
一年遅れで東京オリンピック2020が終わりました。
賛否両論ありましたが、アスリートにとっては開催されてよかったのではないかと感じでいます。
ランナーである僕が注目してみたのはやはり「陸上・中長距離」
中でもマラソンはレースを走っていない自分の感を取り戻すためにもしっかりみました。
今回はマラソンを見て思ったこと、特に男子マラソンを見て感じたことを書いていきます。
レースまで故障せず準備できた者が勝つ。
日本の3選手は明暗を分けました。
大迫選手は6位でゴールできましたが、服部選手と中村選手は大きく順位落とし、タイムも想定外だったと思います。
ラスト400mに差し掛かったとき。
それまで苦しそうな顔をしていた大迫が、笑顔に変わり、最後の400mへ最後のギアを上げた。#東京2020 pic.twitter.com/LA9LlDFCiY— EKIDEN News (@EKIDEN_News) August 8, 2021
内定してからの2年間は色々な葛藤、故障が続いて苦しい期間でした。その中多くの方々に支えていただき、オリンピックの舞台を走ることができました。共に戦ってくれたスタッフ、トレーナー、そして大会開催にご尽力いただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。#arigato2020 pic.twitter.com/gf46F5DxGQ
— 中村匠吾 (@shogorun0916) August 9, 2021
夢であった東京オリンピックが終わりました。目標には遠く及びませんでしたが、自身と向き合い、最後まで逃げずに走る事ができました。応援していただいた皆様、開催するにあたりご尽力いただいた全ての皆様に感謝します。ありがとうございました。#arigato2020#tokyo2020
— 服部勇馬(Yuma Hattori) (@yuma_hattori) August 9, 2021
大迫選手は自身のインスタグラムやYouTubeなどを使ってトレーニングの様子を発信し続けていました。
トレーニングしている様子はNHKでも放送され、オリンピックまで順調にトレーニングができている印象がありました。
一方、服部選手と中村選手は故障したというニュースをみました。
調整を目的としたレースも欠場やタイムが伸び悩むなど、調整がうまくいっていなかったように思われます。
初めから過酷と分かっていた環境でレースをする場合、ピンポイントで体調をベストに持っていかないといいパフォーマンスはできません。
ましてや世界のトップクラスしか出てこないオリンピックのレースであれば、なおさらです。
この準備の差は「故障しなかった者」と「故障してしまった者」の差であり、「調整が間に合った者」と「間に合わなかった者」の差なのだと思います。
市民ランナーも、レースが決まった後に準備を始めます。
ただ、準備期間中に故障して走れない期間があると不安を抱えたままスタートラインに立つことになってしまいます。
そうするといい結果はまず出ません。
「ウォーミングアップ」「クールダウン」「ケア」をできる限りやり、準備のやり残しがないようにしたいものです。
「ビルドアップ」が自己ベストを出すカギ
マスク外す時のキプチョゲかっこよ。#東京2020 pic.twitter.com/wky8hc81c2
— EKIDEN News (@EKIDEN_News) August 8, 2021
ラップタイムはこのようなものでした(参照:NHKオリンピック)。
5km 15:19
10km 30:53
15km 46:04
20km 1:01:47
(half 1:05:15)
25km 1:17:24
30km 1:32:31
35km 1:46:59
40km 2:01:55
finish 2:08:38
これを見ると後半のハーフの方が早いことがわかります。
実際のレースでも周りを見ながらレースを進めながらもジワジワとペースを上げて集団の選手を少しずつ振るい落としています。
そして30kmからは一気にペースを上げ、勝負を決めました。
後半はペースを上げているのですが、余裕すら感じる走りでした。
キプチョゲ選手が走っているレースは「タイム」ではなく「順位」を競うものです。
そのため最終的に他の選手より早ければいいのですが、結果としてペースを上げていくため後半のタイムが前半のタイムより早くなり、最終的なタイムも良くなります。
いわゆる「ネガティブスプリット」と言われるのものです。
市民ランナーは「順位」より「タイム」を狙って走ることが多いと思います。
フルのレースを走る時も最初からゴール予想タイムから割り出した平均ラップを刻み続けます。
そして平均ペースをできるだけ落とさないようにしてゴールしていきます。
ただ、マラソンを含め陸上の長距離種目はラストのラップが最速タイムとなる傾向が強くなっています。
「ラストが強くないと勝てない=ラストが強くないとタイムが出ない」ということになるでしょう。
フルマラソンも「ペースを守る」のではなく「ビルドアップして走り切る」という考え方の方が記録が出るかもしれません。
ペースを守りきれなくなって失速するよりも、レースを三分割し、
前半・・・平均ペースより15秒くらい遅め
中盤・・・平均ペース
終盤・・・平均ペースより早いペース(目標15秒以上早いペース)
という展開にした方が記録は出るかもしれないと考えたわけです。
自分が苦しくなって抜かれていくより、後半ドンドン前の選手を抜いていくレースにした方が気持ちを強く持って最後までいけると思います。
普段からビルドアップする走り方をし、「後半はペースをあげる」という習慣をつけておくとレースでも役立つでしょう。
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最後に
まだまだ「フォーム」とか「給水の仕方・飲み方」など細かい気づきはあるのですが、今回は特に自分の走りに参考になる2つのことについて書いていました。
エリートランナーと走るレースや環境は違いますが、今回のオリンピックのレースは市民ランナーにも役立つヒントは多かったと思います。
さらに映像を見返して、楽に早く走れるヒントを探していきたいと思います。