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日々走っているサブスリーランナーの僕に心臓の病気「狭心症」が襲いかかった。

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人は日々色々なものを「予防」をしています。
トラブルなどの被害を最小限にするためです。

その中でも「病気に対する予防」は多くの方がしていると思います。
病気を予防するために、手を洗ったり、食事に気をつけたり、日々運動したりする方は多いはずです。

僕もそのひとりです。
フルマラソンを走るランナーであり、コーチでもあるため健康には気を使います。
トレーニングをして疲労が溜まったら無理をせず休養もしていました。

しかし、今回突然襲っていきた「左胸の痛み」
最終的には狭心症(きょうしんしょう、angina pectoris)の一種である「冠攣縮性狭心症(以下、冠れん縮性狭心症)」と診断される症状が起きてしまいました。

健康的に過ごしていても起きてしまったこの「冠れん縮性狭心症」
実際に僕がどうなったのか記録として残しておこうと思います。

 

朝、目覚めた時にそれはやってきた。

2021年6月25日早朝、目が覚めて起き上がろうとした瞬間、左胸に痛みが走りました。
「ズキッ」という痛みというよりは鈍い痛み。
起き上がろうとする度にそんな痛みが走りました。

5分ほどで起き上がれるようにはなったのですが、左胸だけに筋トレをした後のような感じが残っています。
朝食も普通に食べ、仕事へいく準備をしていたのですが、どうも違和感が抜けません。
それで「これはおかしい」と思い、その日の仕事はキャンセルし近くの医者へ行くことにしたのです。

当初かかりつけ医のところへいく予定でしたが予約がないとだめだったため、別のみてもらったことのある医者のところへ行きました。

受付で症状を伝えるとすぐに身長・体重・血圧・脈拍をはかり、心電図をとりました。
その後診察でしたが、

「血圧・脈拍に以上はないものの、心電図に異常がみられるため設備の整った病院へ転院して精密検査を受けましょう」

とだけいわれ、地域の包括医療センターである「東京女子医科大学八千代医療センター(以下、医療センター)」へ救急搬送されることとなったのです。

結果的にはタクシーで向かうことになったのですが、病院から病院へ救急車で移動を考えなければならないほど症状が重いものだとは驚きました。
心臓に関わる症状は何かあったら命に関わるため、最善最速で処置を考えなければならないと厳しい言葉で言われたのが印象に残っています。

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大したことはないと思っていたのに事は大きくなる

医療センターに到着し、受付後早速検査となりました。

最初に心電図検査でした。
その後採血とかいろいろ検査を受ける予定でしたが、採血が終わったらすぐ「ケアルーム」というところに行くよう心電図の担当から言われたのです。

検査を省略したので問題無しかなと期待したのですが、逆でした。
「ケアルーム」は症状が重い方が通される場所で看護師の皆さんも緊張感がかなりあったのを覚えています。
そしてケアルームにあるベットに座った時、

「入院を伴う検査をするので家族を呼んでください」

と担当医師に指示され、そこからはドタバタでした。

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狭心症を調べるための心臓カテーテル検査

心電図を見る限り「狭心症」が疑われるという事でした。

狭心症の主な症状は、胸の痛み、圧迫感であるが、時に息苦しさや動悸として感じることもある。胸の痛みは、一部を刺すような痛みよりも、中央部から胸全体にかけて広い範囲の重圧感や圧迫感として感じることが多い。ケースによっては背中や上腹部が痛むこともある。また首や顎にまで痛みが広がることも。狭心症は、患者の症状や心臓の状態で大きく「労作性狭心症」「安静時狭心症」「不安定狭心症」に分けられる。労作性狭心症は、運動などをして心臓がより多くの酸素を必要するにもかかわらず、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなっており、十分な酸素が届かないため引き起こされる。階段を上ったり、重いものを持ったりしたときに起こるが、体を休めて心臓が多くの酸素を必要としなくなれば、症状は次第に治まっていく。安静時狭心症は、寝ている時や安静にしている時に起こるもので、冠動脈が一時的にけいれんしたり、冠動脈に血の塊ができて心臓に送られる血の量が減ったりすることが原因とされる。不安定狭心症は、狭心症の発作の回数が増えたり、薬が効かなくなったり、ちょっとした動作で発作が起こったりするような状態で、心筋梗塞に移行するリスクがある。
引用:ドクターズ・ファイル

そのため「心臓カテーテル検査」と呼ばれる検査をし、心臓全体とその周辺の血管の状態を検査することになったのです。

そして検査は2段階。

  1.  造影剤を投与し心臓や血管で狭くなっているところを探す
  2. 薬で強制的に血管や心臓を痙攣(けいれん)させ、動脈が収縮するところを探す

1であれば「狭心症」で血管を広げる処置を検査から手術に移行して処置。
狭くなっているところがなければ血管を痙攣させて安静時に症状が出やすい「冠れん縮性狭心症」が起きているところを探す、ということでした。

そしてこの「心臓カテーテル検査」というのは血管にワイヤーのそうなものを入れ、それを使って心臓や心臓付近の血管に造影剤を流し込みます。
それで、このカテーテルですが「左手首から動脈」「右股関節付近から静脈」にカテーテルを入れます。

正直なところカラダに異物が入るのは怖かったです。
また、検査後に用意された病室というのが「集中治療室(ICU)」だったこともあり、さらに不安に追い討ちをかけました。
集中治療室はテレビドラマで重症患者しかいなイメージが僕の中では出来上がっています。
「貴重な経験ができる」と一瞬思いましたが、すぐ不安の方が大きくなりました。

でも、検査同意書にサインをした時点で覚悟を決めました。

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実際の心臓カテーテル検査

カテーテル検査は「局部麻酔」し、患者が意識がある状態でおこないます。
そして患者の状態を聞きながら検査が進みます。

検査中の状態は左手首と右股関節にカテーテルなどを通す管が刺さっていて、右腕に点滴の針が刺さっているという状態。
そしてシートがかかってはいますが全裸です。

麻酔をした後、造影剤を投与し状態を確認するまでは早く感じました。

「素晴らしい心臓と血管」

と声をかけてもらいました。
それを聞いた瞬間嬉しさ反面、「じゃあなんでこんな検査する羽目になった?」と思いましたけどね。

見た目は問題なかったので

「薬で血管を痙攣させて安静時に症状が出やすい冠れん縮性狭心症が起きているところを探す」

という検査に移ります。

ただ、この検査、苦しくても我慢できる限界まで耐えなければなりません。
できればもう二度とやりたくありません。
胸が苦しくなるのと同時に吐き気が襲ってきます。

ポイント練習で限界まで追い込み、練習後吐きたくなる状態になることがありますが、それ以上の苦しさです。
この痙攣させる検査をやっている時、何回も「ポイント練習で追い込んだ時の方が楽」と思いました。
同じ逃げられない状態なら走った方がいいと思ったのも事実です。

そしてこの痙攣させる検査を合計5回やりました。

まずこれが痙攣させる前の写真。

そして次が痙攣している時の写真です。

痙攣している時、明らかに血管が細くなっているのがわかりますでしょうか。
これが起床時に胸の痛みを引き起こした原因です。

そしてこの検査を持って「冠れん縮性狭心症」であることが確定したのです。

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検査後のこと

検査後、「冠れん縮性狭心症」であることが確定したため集中治療室で経過観察は必要ないということになり、一般病棟で入院することになりました。
検査に関わった方全員が集中治療室で経過をみると思っていたところ、担当医が「ICUじゃなくていいから」と言った途端に検査室がざわついたのを覚えています。

検査が終わったのが15:00ごろ。
検査が終わり、入院が集中治療室では無くなったため気が抜けたのか、朝食しか食べていなかったのでお腹がなりました。
検査台でお腹が鳴る人は珍しいみたいですけどね。
さらに、ほかの方より痙攣に耐える時間は長かったそうです。
これも心肺を普段から鍛えているからこそです。

病室へ移ってからは24時間監視する心電図を取り付け、点滴は朝まで継続でした。
そして1時間の絶対安静です。
これは動脈に穴を開けているため、左手首はかなり強く圧迫しておかなければならず動くと傷口が開く可能性が高くなるためです。
左手首の傷が開くと血の噴水を見ることになると軽く脅されていたので我慢して安静にしていました。

絶対安静時間が過ぎたら、あとは自由に動き回ることが可能に。
真っ先に行ったのはトイレです(笑)

点滴に関しては造影剤をカラダから早く排泄させるためということもあり、かなりの量をしました。腎臓を刺激し尿を出させる役目もあるみたいです。
そのため口から水を入れなくてもトイレは頻繁に行きました。
また造影剤に関してはカラダが熱くなる作用もあるため、入院した当日は37.5℃以上の熱がありました。
しかし、頻繁にトイレにいったこともあり、朝には平熱に戻っています。

食事に関しては低カロリー低塩分の病院食です。
正直なところ足りませんでしたが、おいしかったです。
カロリー計算もされているので、入院中に太りすぎるということはないでしょう。

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最後に

「冠れん縮性狭心症」であることが今回確定しました。
今後は投薬治療で「冠れん縮性狭心症」を押さえ込んでいくことになります。

毎朝「体温・体重・血圧・脈拍」をはかり、血圧を下げる薬とコレステロール値を下げる薬を医師の指示に従い服用していきます。

血圧を下げる薬は安静時に起きる「冠れん縮性狭心症」とはいえ血管が細くなる症状なので血圧は常に正常値にしておく必要があります。
そのための薬です。

コレステロール値を下げる薬の関しては血液検査で中性脂肪とコレステロールの値が高かったためです。
運動していてもこの二つの値が高いのは炭水化物と糖質の大量摂取が原因だそうです。
考えてみれば、米やパンを部活をやっている息子並みに食べるし、最近はスポーツドリンクもよく飲みます。
このせいかもしれません。
少し糖質の摂取を控えめにしたいと思います。

また生活に関しては何も制限はありません。

運動も今まで通りできます。
むしろ動き回っていた方がいいそうです。
これは助かりました。
ランニングのコーチも続けられるし、フルマラソンの記録への挑戦も続けられます。

ただ「冠れん縮性狭心症」はストレスなどで自律神経が病むと症状が出やすくなるので、ストレスをためやすい僕は、これには気をつけたいところです。

また、祖父が心臓を患っていました。
なので今回の症状は先天性である可能性も否定できないそうです。

さらに今回出血を伴う検査があるのでPCR検査も実施し、問題なし。
その他血液に関する検査もしてもらい、前述した二つを除き、全て正常値でした。

色々ありましたが、普段の心掛けがとても重要と思い知らされました。
走っていても、思わぬ病気になることがあります。

そして思い出しました。
普段からやっていなかったことがあります

それは「定期健康診断」

忙しさと手持ちのお金が少ないのを理由にここ数年受けていません。
個人事業主だからこその理由かと。
でも来年以降は必ず受けたいと思います。

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