日々走っていると、当然疲労はたまってきます。
そして蓄積した疲労は故障を招きます。
故障はランナーだけでなくスポーツを愛する方にとって大敵です。
症状が軽ければいいのですが、故障するのがクセになってしまって長期間苦しむのは避けたいところです。
そのため、トレーニングやレースの後は「カラダのケア」をすると思うのですが、筋肉を伸ばす「ストレッチ」のみの方が多いのではないでしょうか。
疲労を回復するには「ストレッチ」だけではなく、血行を良くしリラックス効果も得られる「マッサージ」も必要です。
しかし、他の方にやってもらうマッサージは、お金もかかるしマッサージに行くための時間が取れないこともあります。
今回は自分でできる「セルフマッサージ」についてお伝えしていきます。
そもそも「マッサージ」って何?
マッサージはヨーロッパで生まれたといわれています。
皮膚に直接触れて、足や手など末端からカラダの中心に向かってさすったり揉んだり押したりして刺激を与えます。
それが血行を良くしたりリンパの流れを改善したり、カラダをリラックスさせる効果を生むのです。
人間の皮膚には「触覚」があります。
これはセンサーのようなものであり、触覚で感じたものが脳へ伝えられ、その結果としてカラダの血行が良くなったりリラックスできたりするというわけです。
さらに「直接皮膚に触れて軽く圧を加えると、一定時間は筋肉の緊張が和らぐ(参照:GronG MAGAZINE)」ので、ストレッチだけのケアより「ストレッチ+マッサージ」の方が疲労回復効果が高いといえます。
では、具体的なやり方についてみていきましょう。
セルフマッサージの基本
「末端から中心へ」がマッサージの基本です。
「血行を良くするために足や腕にある血液を心臓に戻すのを助けてあげる」イメージでマッサージをしていきます。
ランナーであれば足先からふくらはぎかけてまずマッサージをし、そして太ももと骨盤周りをやっていくイメージです。
トレーニングをした後は、程度は人によりますが、「むくんでいる」状態です。
むくみとは血液やリンパ液がカラダの末端にたまってしまい、流れなくなっている状態のことを指します。
その流れをマッサージをすることで、血液とリンパの流れを正常化させ、カラダの中心に戻す、というわけです。
そして、マッサージは「皮膚をさする」「筋肉を手のひらで包み込むように軽く揉む」ようにやっていきます。
整骨院での施術では指圧のようにコリがあるところを強く押すことが多いですが、自分でやるセルフマッサージでは押す力加減がわかりにくいと思います。
それに自分で力強くやると途中で疲れてしまい中途半端な状態でセルフマッサージが終わってしまうことも考えられます。
強めにマッサージをすると筋肉の深部まで刺激がきて気持ちがいいと思いますが、実際のところは表層部だけのマッサージでも血行は良くなります。
そのためセルフマッサージは「さする」だけで十分です。
具体的なセルフマッサージのやり方
セルフマッサージで「さする」時、皮膚の表面が滑らないとやりにくいですし、痛くなってしまう可能性があります。
そのため、お風呂でカラダを洗う時に石けんの泡がカラダについている状態でセルフマッサージをしたり、湯船に入った時にやるといいでしょう。
「風呂に入りながらだとのぼせてしまう」という方は写真のようなマッサージ用のローションを使ってもいいと思います。

話を戻します。
まずは足の指と足の裏をマッサージしていきます。
足の指は一本づつ10~20秒くらいかけてマッサージしていきます。
動かしてもいいです。
次に足の裏は指の付け根あたりと土踏まず周辺をマッサージしていきます。
足の裏は硬いのでここは「さする」というより「揉む」意識を高めでやった方がマッサージの効果が出ます。
やや強めにやってみましょう。
続いてふくらはぎです。
両手でふくらはぎを覆い、人差し指もしくは中指をふくらはぎの中心部分に、親指をスネ周辺にあて、アキレス腱周辺からヒザ裏にかけてさすります。
この時にふくらはぎにたまっている血液を心臓に返すイメージでするとなおいいです。
そして太ももからお尻にかけてマッサージをします。
太ももは前後も内外も満遍なくマッサージしますが、ヒザの痛みが出る方は太ももの外側を入念にやったあとその流れでお尻の筋肉もマッサージすると効果的です。
また、厚底のカーボンプレート入りのシューズを使う方は太ももの裏側にある「ハムストリング」を入念にマッサージをしましょう。
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これで足全体のマッサージが終了です。
レースや長距離のペース走、その他負荷の高い練習をした後は、肩まわりの筋肉もかなり疲れています。
肩まわりや鎖骨周りもついでにマッサージしておくと翌日の疲れの取れ方が違います。
最後に
「風呂に入る」「セルフマッサージをする」「ストレッチをやる」という3つがカラダのケアの基本です。
この3つを日々行うことによって、日々のトレーニングを自行するための準備ができるわけです。
ケアを怠り、疲労が残っていると故障につながります。
長くランニングをしていきたいのであれば、少しの時間でも毎日のケアを忘れないようにしたいものです。
参考資料:
https://grong.jp/magazine/massage-thesis-research-evidence/ , https://www.phiten.com/sports/athletics/?care=stretch , https://www.enjoytokyo.jp/style/108608/?__ngt__=TT11b5a1a01003ac1e4aed04iWTNmVFUnEU7Xyt8ElDmKV