失敗はなぜ起きるのでしょうか?
何度も注意しているはずなのに失敗は起きます。
レースに何回出ても目標タイムに届きそうで届かないレースが続くことがあります。
例えば、タイムを出すことに焦りがでて前半のペースが早くなり過ぎるという「失敗パターン」が続いてしまうことなどです。
ではどうすれば失敗は起きなくなるのでしょうか。
今回は「失敗を少なくする方法」について考えてみます。
学ぶべきは「失敗するパターン」
近年、ビックデータを活用することが増え、色々なデータを目にすることが増えました。
それはランニングにもいえることです。
インターネット上にはトレーニングのやり方やレースの情報、走ったレースのレビューや完走などのランニングに関するデータをたくさん見ることができます。
成功体験を見て、同じすることも重要です。
しかし成功を学ぶよりも大切なことは「失敗するパターンをたくさん覚える」ことなのです。
生前ヤクルトスワローズや阪神タイガース、楽天イーグルスで指揮を取った故・野村克也監督はこのような言葉を残しています。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
野球の試合では、ラッキーで勝ちが転がり込むことがあります。
相手のミスが重なったり、風が味方してくれたりで勝つことができた試合が存在します。
しかし、負ける時には必ず「負けた理由が何かある」という野村監督はいっているのです。
負けに「なぜか負けた」ということはないということなのです。
ランニングも同じです。
タイムを狙いにいった時、目標達成できなかった時はゴール後に理由をいろいろ考えてしまうランナーは多いと思います。
重要なのは、成功する方法を考える前に失敗しそうな要素をひとつづつ潰していき、さらにひとつ残らず失敗しそうな要素をなくすことなのです。
成功するためには「失敗しないこと」
野球でもサッカーでも卓球でもバトミントンでも、点を取られなければ負けません。
ミスをなくし、失敗しなければ負けることはありません。
仕事もそうでしょう。
自分のやっている仕事が赤字になったり、組織に対する大問題を起こさなければ仕事がなくなることはありません。
つまり、「ミスをなくすための方法」「失敗しないための方法」をデータとして自分の中に溜め込んでおけば、失敗パターンを防ぐことができます。
失敗するために行動する方はほぼいないでしょう。
だから、一番多くの時間を割いて収集しなければならない情報・データは、「自分が起こした失敗」と「他人が起こした失敗」なのです。
多くの失敗事例をデータとして溜め込むことで、自分が同じことをしないようにしていきます。
そうして「失敗しない状況」を作り出しておけば、経験を重ねるうちに成功する確率は成功体験しか知らないランナーより目標達成しやすいはずなのです。
レースで前半突っ込みすぎるのも、給水やエネルギー補給に失敗するのも、自分の走りを分析していない結果からくるものです。
そして、その失敗パターンをデータとして覚えていないことが原因です。
最後に
大切なのは、勝ちパターンを再現することではなく、負けパターンを徹底的に見つけ出して、同じことをしないことです。
成功体験は自分のレース前に自分の気分を上げるためのネタくらいに考えていた方がいいかもしれません。
自分も同じことができると錯覚することもなくなります。
ただ、自分が成長するためには挑戦し続けなければなりません。
しかし次の段階に進むためのトレーニングにはリスクはつきものです。
自分が経験していないことをやっていく必要も出てきますが、「失敗のパターン」をしないように行動を管理して、「勝ちパターン」を見つけていきましょう。